日本では最近、著名人になりすました「ニセ広告」が大きな問題になっています。実業家の前澤友作さんをはじめとする被害者が米MetaとFacebook Japanを提訴し、総務省もMeta社を名指しして対応を要請するなど、もはや国家規模の問題といっていい状態です。
また、以前に当コラムでも取り上げた通り、SNSを利用した「投資詐欺」や「ロマンス詐欺」の被害も急増しています。
そして、これらの合わせ技ともいえる「有名人になりすましたロマンス詐欺」が発生し、犯人が逮捕されたとの報道がありました。しかも、被害者を騙すためにAI(人工知能)が悪用されていたのです。今回はこの事件を参考に、悪質な詐欺から身を守る方法について考えてみましょう。
【参考】
・https://news.yahoo.co.jp/articles/034f3e4a318bbcd09aad0141fadabf7a8e0a7daa
・https://megalodon.jp/2024-0702-0305-41/https://www.advertimes.com:443/20240621/article464609/
■三代目JSBのメンバーになりすまし、ロマンス詐欺を働いた男が逮捕
2024年5月7日、大阪市東住吉区に住む職業不詳の男が詐欺の疑いで逮捕されました。容疑の内容は、「三代目J SOUL BROTHERS」のメンバーになりすまし、ファンの40代女性から現金165万円を騙し取ったというものです。
容疑者は2023年10月、三代目JSBのリーダー・小林直己さんやマネジャーを騙り、SNS上で被害者に接触。「運命の人と出会いました」「結婚を前提に付き合ってください」などと噓のメッセージを送信し、飛行機代や宿泊代の名目で自身の銀行口座に計165万円を入金させたとされています。
女性は同様の手口で、計約600万円を騙し取られました。そして11月、同僚に相談したところ「詐欺だ」と指摘されて被害に気づいたのです。容疑者は詐欺グループの資金洗浄役で、自分名義の口座を提供したものの、SNSでのやり取りなどは別人が行っていた模様。警察は組織的な犯行とみて、実態の解明を進めています。
■AI生成された映像が詐欺に使われた! 迂闊に相手を信用するのはNG
今回の事件については、「こんなのに引っかかる方にも問題がある」「有名人がSNSで接触してくるはずがない」と考える方も多いと思われます。しかし、被害者も単なるメッセージでのやり取りで騙されてしまったわけではありません。
この事件の最大の特徴は、AIで生成されたとみられる小林さんの映像が使われた点です。犯人は詐欺の手法として、SNSのビデオ通話機能を用いて被害者とやり取りをすることがありました。この際、小林さんの映像が映し出されたことがあったというのです。
映像が映し出されていた時間は10秒程度で、しかも無言でした。それでも、一時的に被害者からの信用を得るには十分だったのでしょう。被害者は本当に小林さんが通話をしてくれていると思い込み、詐欺の被害にあってしまったというわけです。
この事例からわかるように、もはやネット上やSNS上の映像というものは、常に偽物かどうか疑ってかからなければなりません。AIやアプリを使って、いくらでも加工・捏造が可能な時代になっているからです。それこそ、本物がリアルタイムで話しているかのように装うこともできます。
詐欺に引っかからないためには、まずネット上・SNS上でしか会ったことのない相手を迂闊に信用しないこと! そして、実際に会ったとしても、相手の素性がはっきりするまでは金銭などのやり取りをしないことが大切です。怪しいと思ったら、探偵の素行調査で正体を特定するといいでしょう。
■素行調査は、スマイルエージェント本部にお任せ!
今後、AI技術がさらに発展すれば、本物とまったく区別がつかないような「なりすまし映像」を作ることも可能になると思われます。詐欺の手口もますます巧妙になっていくでしょう。
私たちは、世の中が詐欺師に有利になりつつあることを自覚しておかなければならないのです。「もしかして……」と思った時、一旦立ち止まって相手の素性を調べれば、詐欺の被害に会うのを防ぐことができます。お困りの際は、スマイルエージェント本部までお気軽にご相談ください。