【TDK研究データ不正持ち出し事件】再雇用した高齢者でも裏切ることはあります!

企業や官公庁からの情報持ち出し事件が発生した場合、皆さんは犯人の姿をどのようにイメージしますか? おそらく多くの方は、勤務先に不満を持っていて、なおかつ現役で活躍している比較的若い人を思い浮かべるのではないでしょうか。

 

しかし実際には、高齢者や再雇用された人が「裏切る」こともあるため、年齢や立場に関係なく注意を払っておかなければなりません。今回は、電子部品大手TDKで発生した情報持ち出し事件を参考に、情報漏洩対策の重要性について考えてみましょう。

 

【参考】

・https://megalodon.jp/2024-1203-0102-43/https://www.yomiuri.co.jp:443/national/20241004-OYT1T50078/

・https://megalodon.jp/2024-1203-0103-35/https://www.itmedia.co.jp:443/news/articles/2410/04/news174.html

■重要電子部品の研究データを持ち出した元研究員が書類送検

2024年104日、電子部品大手TDK株式会社(東京)の元研究員の男性(65歳)が、不正競争防止法違反(営業秘密領得)の容疑で警視庁公安部によって書類送検されました。容疑の内容は、営業秘密に当たる研究データを勤務先から不正に持ち出したというものです。

 

元研究員は20236月、再雇用の立場で勤務していたTDK成田工場において、電子部品「MEMS(メムス)」の開発や材料などに関する研究データを、会社のパソコンから私用のメールアドレスに送信したとみられています。元研究員は6月中に退社し、その後TDKがデータの流出に気づき、警視庁に相談したことで今回の逮捕に至りました。

 

MEMSとは、電子回路やセンサーなどを集積したごく微小な部品のことで、さまざまな電化製品に使われ、国内外で開発競争が続いています。つまり、元研究員が持ち出したのは、特に国外には絶対に流出させてはならない先端技術のデータなのです。警視庁公安部が動いたのもこのためでしょう。

 

元研究員は在職中から転職活動をしており、公安部は持ち出したデータを転職活動に利用しようとしたとみています。今のところ第三者への漏洩は確認されていないそうですが、悪意のある人間の手に渡っていないことを願うばかりです。

■再雇用した人でも高齢者でも、油断はできない!

今回の事件の注目すべき点は、犯人が再雇用されて働いていた高齢者だということです。一度定年退職してから改めて雇用されている以上、元研究員は会社にとって必要な人材だったのでしょう。現代の60代は「まだまだいける」年齢ですから、元研究員にとっても再雇用してもらえたのはありがたかったはずです。

 

それにもかかわらず、営業秘密を持ち出して転職活動に利用しようとしたのは、恩を仇で返す行為にほかなりません。もしかすると、再雇用後の待遇に不満があったのかもしれませんが、だとしても許されない裏切りです。たとえ再雇用した人材だろうとシルバー人材だろうと、会社を裏切る可能性は0ではないということを、経営者・責任者は肝に銘じておく必要があります。

 

また、実はTDKからの情報持ち出し事件はこれが初めてではありません。同社の製品データを流出させたとして、5月にも2人の社員が不正競争防止法違反容疑で書類送検されています(後に不起訴処分)。

 

説明するまでもありませんが、情報管理体制に問題があると、情報漏洩は何度でも起きるのです。会社を守るためにも情報管理を徹底し、怪しい動きを見せている関係者がいたら、探偵の素行調査を利用して社外での行動を調べてみるといいでしょう。

■社員素行調査は、スマイルエージェント本部にお任せ!

情報の不正な持ち出しは、企業の信頼に関わる重大なトラブルです。特に今回の事件のように、国益に関わる情報が流出すると、その企業が損をするだけではすまない可能性があります。

 

「あの人最近変じゃない?」

「データに不審なアクセスがあった」

 

このような異変・違和感が生じた時は、すぐに対応するのがおすすめです。お困りの際は、スマイルエージェント本部までお気軽にご相談ください。

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