企業では、さまざまな不正行為が発生する可能性があります。不正の内容によっては、会社が大きな損害を被るおそれがあるため、従業員・関係者の行動には常に目を光らせておかなければなりません。
そんな社内不正事案において、全体の半数近くを「情報持ち出し」が占めていることが、デジタルフォレンジック（※）を手掛けるデジタルデータソリューション株式会社の調査によってわかりました。そこで今回はこの調査を参考に、情報持ち出し対策のポイントについて考えてみましょう。
※電子データの保全や分析によって、犯罪や不正行為の調査を行うこと。
【参考】
・https://megalodon.jp/2025-0506-0821-34/https://www.asahi.com:443/articles/AST4Q25R5T4QUTIL002M.html
■社内不正の約46％は情報の持ち出し！ 退職者によるものが最多
デジタルデータソリューションは、2024年度（2024年4月～2025年3月）に社内不正事案に関する相談があった220社を対象にアンケート調査を行いました。実に興味深いデータの数々が得られたのですが、特に注目すべきなのが社内不正事案の内訳です。
調査によると、2024年度に発生した社内不正事案で最も多かったのは「情報持ち出し」で、半数近い約46%を占めていました。2位の「労働問題」が約17%、3位の「横領・リベート」が約16%なので、圧倒的に情報持ち出し事案が多いわけです。
また、情報持ち出し事案を犯人別に分類すると、退職者によるものが全体の約29%、在職中の従業員によるものが約15%、派遣・業務委託者によるものが約2%となっています。やはり、退職と同時に情報を持ち出す事例がとても多いことがわかります。
ちなみに前年度の調査では、退職者による持ち出しだけで約43%もあったそうなので、これでもマシになった方です。従業員の退職前後は監視を強め、情報を不正に持ち出した形跡がないか、しっかりとチェックするのが望ましいでしょう。
もし怪しい動きが見られるなら、探偵の調査で行動を調べるのも有効です。早めに不正の証拠を押さえれば、被害の拡大を防ぐことができます。
■情報持ち出しの発覚が最も多いのは4～5月！ 先手を打ってチェックを！
この調査でもう1つ注目しておきたいのが、情報持ち出しが発覚した経緯です。内訳は多い方から順に「他の社員からの報告（約19％）」「社内データ削除の発覚（約15％）」「機器パスワードの消失（約11％）」「社内の不正な金銭の動き（約11％）」となっています。
つまり、「データが消えてる！」「パスワードが通らない！」「お金の動きが変！」といった異常から、情報持ち出しに気づくケースが多いわけです。中には、頼んでもいないのにパソコンを初期化していた事例もあったとか……。「他の社員からの報告」は比率としてはトップですが、「発覚の性質」的にはむしろ少数派といっていいかもしれません。
また、これと関連するものとして、「情報持ち出し被害が発覚した月」に関する調査があります。1年の中で情報持ち出しが最も多いのは4～5月で、まさにこのコラムを投稿している今現在という結果でした。これは人材の入れ替わりが活発な時期だからだと考えられ、退職者による情報の持ち出しがいかに多いかを示しています。
ただ、これはあくまでも「発覚した月」であり、実際に情報が持ち出されたのはもう少し前のはずです。つまり、
①2～3月頃に情報の持ち出しが発生
②犯人が年度末で退職→新年度に合わせて転職
③少し時間が経過した4～5月頃に、データの異常などから持ち出しに気づく
……という流れになるケースが多いのではないでしょうか。気がついた時にはライバル企業に機密情報が渡っていて……という事態も十分ありえます。
したがって、年度末から年度始めにかけては、退職者が情報を持ち出している可能性を考慮し、先手を打って社内データをチェックするのがおすすめです。ゴールデンウィークが終わってから異常に気づいているようでは遅い、と考えるべきでしょう。
そして、万が一重要な情報が持ち出されていたら、すぐに警察に相談を！ 加えて、怪しい動きをしている人物がいるなら、探偵に調査を依頼してみましょう。探偵なら、退職者でも従業員でも自由に調査し、その行動を明らかにできます。1日でも早く対応することが、被害を防ぐ上で何よりも重要です。まずはお気軽に相談してみてください。
■個人信用調査・社員素行調査は、スマイルエージェント本部にお任せ！
今回の調査では、マニュアルや顧客情報、製品の設計図などが持ち出された事例も報告されています。他社にコピー製品を作られてしまったケースも実際にあるとのことで、被害は想像以上に大きいといわざるをえません。
こうなる前に先回りして社内の様子をチェックし、怪しい人物がいたらその行動を追ってみることが大切です。お悩みの際は、スマイルエージェント本部までお気軽にご相談ください。
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