
企業はさまざまな不正行為の被害にあうリスクがあります。中でもしばしばニュースなどで取り上げられているのが、従業員などによる「情報持ち出し」です。
持ち出された情報の内容次第で、企業は大きなダメージを受け、信頼も失うことになります。そうなる前に、不審な動きを察知して対応しなければなりません。今回は、企業の社内不正事案に関する最新情報を参考に、情報持ち出し対策のポイントについて見ていきましょう。
【参考】
■2025年度は社内不正被害が増加! 内訳トップは今回も「情報持ち出し」
今回参考にさせていただくのは、デジタルフォレンジックを手掛けるデジタルデータソリューション株式会社が実施した「2025年度社内不正被害に関する実態調査」です。これは、社内不正被害の実態を明らかにすることを目的とし、2025年度に社内不正被害にあった経験のある企業260社を対象に実施されました。
同じ調査の2024年度版も、当コラムで取り上げております。調査の基本的な内容についてはこちらをご覧ください。
さて、2025年度調査の結果を前年度と比較してまず目につくのは、社内不正被害が増加していることです。2023年度→2024年度は12%減少していたのですが、2024年度→2025年度は約20%も増加しており、被害が高止まりしていることがわかります。
また、社内不正事案の内訳で最も多かったのは「情報持ち出し」で、約41%を占めています。前年度の46%よりは低下しましたが、各種不正事案の中でも飛び抜けて多い点に変わりはありません。特に退職者による持ち出しが多いのも同様です。
そして業界別に見ると、社内不正被害が最も多かったのは製造業で、3年連続のワースト1になってしまいました。3位の建設業も、3年連続で上位3業界にランクインしています。やはりこれらの業界では、製品のデータや製造・施工のノウハウ、取引先の情報など、他社がほしがる情報が非常に多いのでしょう。
■情報持ち出しの発覚が多い月は4月と10月、きっかけは「データの削除」
この調査では、情報持ち出しの被害にあった企業を対象にさらなるアンケートを行い、実態を掘り下げています。その中で特に注目すべき点は以下の2つです。
①情報持ち出しが発覚した経緯
情報持ち出しの発覚経緯で最も多かったのは「社内データ削除の発覚」で、実に約39%を占めています。前年度に比べて24ポイントも増加しており、「他の社員からの報告(約15%)」を抜いて1位になりました。
実態としては、退職者から返却された機器がなぜか全部初期化されていたり、「消すな」と指示したデータが削除されていたりするケースが多いのだそうです。おそらく、自分が不審な形でアクセスした痕跡を残すまいと、大元のデータそのものを削除しているのだと思われます。気づいた時点では手遅れ、というケースも多そうです。
②情報持ち出しが発覚した月
情報持ち出しが発覚した月は、4月と10月がほぼ同等の数値でツートップとなりました。前年度は4月~5月が最も多かったのですが、2025年度はそれに10月が加わった形です。
多くの企業において、4月は新年度、10月は下期が始まるタイミングです。つまり人材の入れ替わりが多いため、退職者による情報持ち出しが発生しやすいのだと考えられます。ただし、実際には遅くとも3月や9月までには情報が持ち出されているでしょうから、警戒するならこの時期です。
こういった統計データを見るに、情報持ち出し対策の基本は「危険な時期の怪しい動きを見逃さないこと」だといえます。当記事の投稿は2026年8月後半ですから、そろそろ怪しい動きを見せる関係者が出てきてもおかしくはありません。
たとえば、「なぜあの人がこのシステムに頻繁にアクセスしているんだろう?」というような『異変』があったら、その人物を『重要参考人』としてマークすることが大切です。探偵の調査によって行動を調べれば、競合他社の人物との接触など、さらに怪しい動きがわかるかもしれません。
他にも、「何かいつもと違う動きをしている、挙動不審に思える」「普通は必要ないこと、絶対にやらないことをしている」関係者がいたら、一度調べてみるのがおすすめです。まずはお気軽に探偵までご相談を!
■個人信用調査・社員素行調査は、スマイルエージェント本部にお任せ!
デジタルデータソリューション社の分析では、情報持ち出しの目的の多くは金銭ではなく、転職先や独立先で有利に立ち回るための「手土産」なのだそうです。実際に、独立した元従業員の会社に取引先を奪われ、契約を打ち切られてしまった事例もあるといいます。
一度情報持ち出しを許せば、会社が大きな損失を被り、影響が長期間にわたっても不思議ではありません。「そんなことがあるはずが……」とは考えず、不審な動きを察知した時点で対応することが大切です。お困りの際は、スマイルエージェント本部までお気軽にご相談ください。







