企業にとって、売上・技術・企画・ノウハウ・顧客情報といったデータは、まさに命ともいえるものです。こういったデータが競合他社に流れてしまえば、企業は大きな損害を被るでしょう。役員や管理職といった重要な立場にある人が転職した場合は、特に注意しなければなりません。今回は「かっぱ寿司」のデータ不正入手事件を参考に、不正行為への対処法をご紹介します。
【参考】
・「かっぱ寿司」運営会社の社長 競合会社のデータを不正入手か
・なぜ「はま寿司」のデータを欲しがった? 「かっぱ寿司」転落の背景は“伝統の否定”
■かっぱ寿司の社長が、古巣のはま寿司からデータを不正入手!
日本には多くの回転寿司チェーンがあり、国民食であるお寿司が手軽に食べられるようになっています。そんな回転寿司大手の一角であるかっぱ寿司が、令和3年6月28日、不正競争防止法違反の容疑で警視庁から家宅捜索を受けました。驚くべきは、不正行為を行っていたのが、かっぱ寿司の運営会社の社長であるということです。
この社長は2014年、競合他社である「はま寿司」の役員となり、そこからいくつかの企業を経て現職となりました。不正の内容は、運営会社の顧問だった令和2年11月~12月にかけて、はま寿司の売上データなどを元同僚からメールで入手したというものです。これに気づいたはま寿司側が刑事告訴に踏み切り、現在も捜査が続いています。
■かつての立場や人脈を利用した不正行為は非常に厄介
競合他社に転職した人間が情報を不正に持ち出した事件としては、以前のコラム(https://smile-agent-jp.com/column/sokou/1327/)でご紹介したソフトバンクと楽天の一件が挙げられます。この事件も大きな問題になりましたが、逮捕されたのはあくまでも従業員でした。今回のかっぱ寿司・はま寿司間の事件は、社長かつ元役員という重要な立場にある人間が不正を働いたという点で、より悪質性が高いといえます。
また、ソフトバンクの元社員は自力で情報を持ち出していましたが、かっぱ寿司の社長はかつての同僚からデータを入手していました。捜査中につき詳細は不明ですが、元同僚は何らかの見返りを受け取っていたのかもしれません。元役員という立場ともなれば、古巣の主要ポストにいる知り合いも多いでしょうから、このような不正が可能になってしまうのです。
■転職した人物に怪しい動きがあれば、探偵の調査で情報収集を!
今回の事件は、退職した人物の動向に目を光らせることの重要性を教えてくれました。すべての転職者を徹底的に見張るのは現実的ではありませんが、競合他社に転職した人物や、重要なポストにいた人物の動向は押さえておくのが望ましいでしょう。
そのために活用していただきたいのが探偵の調査です。退職した人物を尾行すれば、現在の勤務先やポストなどを調べることができます。社内の人間と今なお接触があるかどうかもチェックすれば、情報漏洩に早い段階で気づけるでしょう。
特に今回の事件の場合、かっぱ寿司の社長ははま寿司を離れてから時間が経過しており、かっぱ寿司の顧問や社長に就任したことも公になっていました。それでもなお、かつての人脈を利用して不正を働いたのですから、人同士のつながりがいかに恐ろしいかがわかります。少しでも不審な点があれば、素行調査をしてみるのがおすすめです。
■転職した社員の素行調査は、スマイルエージェント本部にお任せ!
今回のような事件は氷山の一角であり、類似の事件は他にいくつも発生していると考えられます。転職する人は、それまでの働きを労い快く送り出すべきですが、同時に注意も払っておかなければなりません。転職した人物や、情報を流している疑いのある人物の素行を調査したい時は、スマイルエージェント本部までご相談ください。