夫婦が離婚する理由で1番多いのは何? 不倫は意外と少ない?

日本では、毎年多くの夫婦が離婚しています。離婚に至る理由は人それぞれですが、皆さんはどのような理由で離婚している夫婦が多いと思いますか?

 

おそらく「やっぱり不倫だろう」「暴力やモラハラが原因だと思う」「結局は性格が合わなかったのでは?」など、いろいろな意見があるはずです。この辺りを掘り下げれば、円満な夫婦関係を続けるためにはどうすればいいのかも見えてくるでしょう。そこで今回は、裁判所の司法統計を参考に、日本の夫婦が離婚する理由について解説します。

 

【参考】

https://www.courts.go.jp/app/files/toukei/253/012253.pdf

■前知識:離婚調停とは?

今回参考にする司法統計は、「婚姻関係事件数  申立ての動機別申立人別(令和2年度)」です。これは夫婦関係調整調停事件、いわゆる離婚調停の件数を「申し立てた人の男女別・動機別」に分類したもので、毎年公表されています。

 

念のため最初に解説しておくと、離婚調停とは夫婦の双方が裁判所に出席し、「調停委員」を仲立ちとして話し合いを行い、離婚問題の解決を目指すことです。夫婦間の話し合いだけでは折り合いがつかず、離婚の合意ができない場合などに行われます。また、「調停前置主義」の原則により、離婚訴訟を起こす前には必ず調停での解決を試みる必要があります。

 

つまり今回参考にするデータは、離婚した夫婦すべての離婚理由をまとめたものではありません。ただ、調停まで進んでいる以上、夫婦だけの話し合いでは決着がつかなかった事例のデータであり、深刻度は高いと考えられます。加えて、裁判所の統計ですから、信頼性は抜群です。

 

したがってこのデータは、「日本の夫婦が離婚する理由」の実態を、概ね反映していると考えていいでしょう。以下の項目ではこのデータに基づき、離婚理由を掘り下げます。

■【男女別】司法統計から見る離婚理由

それでは司法統計をもとに、離婚理由を男女別にベスト10まで見ていきましょう。順位だけでなく、男女の違いにもご注目ください。

 

※離婚理由は主なものを3個まで挙げる方法で調査し、重複集計されています。

※「その他」および「不詳」は除外してあります。

※理由の右側の数値は、「その他」「不詳」も含む総数に対する割合です。

 

◯男性(夫)

 

1位:性格が合わない(59.6%)

2位:精神的に虐待する(20.4%)

3位:異性関係(13.8%)

4位:家族親族と折り合いが悪い(12.7%)

5位:浪費する(12.1%)

6位:性的不調和(11.3%)

7位:暴力を振るう(9.4%)

8位:同居に応じない(8.8%)

9位:家庭を捨てて省みない(4.9%)

10位:生活費を渡さない(4.4%)

 

◯女性(妻)

 

1位:性格が合わない(37.5%)

2位:生活費を渡さない(30.4%)

3位:精神的に虐待する(25.2%)

4位:暴力を振るう(19.7%)

5位:異性関係(15.0%)

6位:浪費する(9.2%)

7位:家族を捨てて省みない(6.9%)

8位:性的不調和(6.5%)

9位:家族親族と折り合いが悪い(6.1%)

10位:酒を飲み過ぎる(6.0%)

 

いくつか補足しますと、「精神的に虐待する」というのは、いわゆるモラハラのことです。「異性関係」とはすなわち不倫のことで、「性的不調和」というのはセックスレスや性嗜好の不一致、性的不能などを意味します。「生活費を渡さない」や「家族を捨てて省みない」「同居に応じない」などは、離婚訴訟を起こせる理由の1つである「悪意の遺棄」です。

 

ご覧の通り、男女ともに「性格が合わない(性格の不一致)」が1位になりました。やはり結局はそこか、という印象です。ただ、男性は「性格が合わない」が6割近くに達していて2位以下を引き離しているのに対し、女性は30%台後半にとどまっており、2位以下との極端な開きがありません。女性の離婚理由の方が多様である、ということでしょう。

 

また、女性は「生活費を渡さない」が3割を超えており、「浪費する」と合わせてお金の問題がかなり大きいことがわかります。夫に経済的に依存している女性が、それだけ多いということなのでしょう。「暴力を振るう」が男性の倍以上あるのも、男女の腕力や体格の差によるものと思われます。

 

一方、「精神的に虐待する」は男女ともに20%を超えており、男女差もそれほどありません。妻からのモラハラに苦しんでいる男性は、かなりの数存在するのだと推測されます。その他、「家族親族と折り合いが悪い」「性的不調和」は男性が女性の2倍近くある一方、「浪費する」も男性の方が多いなど、日本の夫婦の関係性をうかがわせる点がいろいろあります。

■不倫はあくまでも「結果」。根幹にあるのは性格の不一致?

さて、このデータを見て、皆さんはどのように感じましたか? いろいろな見方がありますが、「不倫が原因で離婚する人は案外少ないんだな」と感じた方もいらっしゃるかと思います。弊社のような探偵業者において、調査の大部分は不倫・浮気調査なのですが、離婚の理由だと不倫はそこまで多くないわけです。これはなぜなのでしょうか?

 

弊社としては現場の経験から、不倫はあくまでも「結果」だと考えています。つまり、他に何らかの原因があって夫婦関係に問題が生じているので、「結果として」不倫をしてしまうのです。その根本的原因の最たるものが、性格の不一致だといえるでしょう。暴力やモラハラ、生活費を渡さないといった深刻な問題も、結局は性格の不一致に端を発しています。

 

この性格の不一致というのが曲者で、実にいろいろな内容を含んでいます。根本的に人として反りが合わないのかもしれませんし、趣味嗜好や政治信条などのズレかもしれません。家事育児への不参加など、家庭への貢献や生活態度に関する問題もここに含まれると推測されます(もう少し細分化できないものでしょうか?)。

 

いずれにしても、「ある日突然素敵な人と出会い、雷に打たれたように恋をして不倫に走ってしまった」などというケースは決して主流ではありません。不倫に走る人というのは、配偶者に対して(自覚の有無を問わず)すでに何らかの不満を覚えていることが多いのです。配偶者の不倫を防ぎたい時や、不倫発覚後に関係を修復したい時は、この点についてよく考える必要があります。

■配偶者の様子が気になる時は、スマイルエージェント本部にご相談を!

夫婦はお互いに不満があっても口に出せなかったり、気づけなかったりすることがしばしばあります。統計に現れている離婚の理由はさまざまですが、根元にあるのは結局「すれ違い」なのでしょう。その積み重ねが不倫につながる以上、どのような夫婦にも不倫のリスクはあると考えなければなりません。

 

大切なのは、不倫やDV、浪費、悪意の遺棄といったトラブルを他人事だとは考えず、配偶者の様子を気にかけておくことです。もし不審な様子が見られたら危険信号だと捉え、すぐにスマイルエージェント本部までご相談ください。

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