【奈良女児誘拐殺害事件から19年】子供を犯罪から守るにはどうすればいいのか?

小さなお子様を持つ保護者の方にとって、「うちの子が犯罪に巻き込まれたりしないだろうか?」という不安は、常に尽きないと思われます。とはいえ、常に子供のそばにいて様子を見守っているわけにはいきません。

 

子供を犯罪から守るためには、「犯罪に巻き込まれないためにはどうすればいいのか?」ということを、子供自身が考えて行動できるようにする教育や環境づくりが重要です。今回は専門家の考察をもとに、犯罪対策の重要性について考えてみましょう。

 

【参考】

・https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/2d0f190615f5a7a1783f822dda9039e40a7aeea4

■奈良女児誘拐殺害事件から19年、識者が指摘する日本の防犯教育の問題点

2023年1117日で、いわゆる「奈良女児誘拐殺害事件」から19年が経ちました。この事件は20041117日、奈良県奈良市に住む小学1年生の女児(当時7歳)が、男に誘拐・殺害されたというものです。

 

犯人は10年前に死刑が執行されており、すでに「昔の事件」になりつつありますが、遺族の苦しみは今なお消えていません。来年には20年を迎えるこの事件について、国や自治体の犯罪対策に長年関わってきた立正大学の小宮信夫教授(犯罪学)が、興味深い記事を出しています。

 

小宮氏によると、日本の学校における防犯教育では「襲われたらどうするか?」という「クライシス・マネジメント」ばかりを重視しており、「そもそも襲われないようにするにはどうすればいいのか?」という「リスク・マネジメント」が欠如しているというのです。正しい対策が講じられていれば、奈良の事件も起きなかったはずだと指摘しています。

 

確かに、日本の学校や保護者が子供に教えている防犯対策といえば、防犯ブザーを持たせておいて「変な人が近寄ってきたらブザーを鳴らせ」「大声で助けを呼べ」「走って逃げろ」という、「襲われた後の対応」ばかりです。「どうすれば襲われないのか?」という視点が欠けているのは事実かもしれません。

■犯罪機会論に基づき、「入りやすく見えにくい場所」を避けることが重要

さて、それでは「効果的な防犯対策」とは一体何なのでしょうか? 前提として、日本でよく行われている「不審者に気をつけよう!」という呼びかけや、不審者を探すためのパトロールなどは、「犯罪原因論」に基づく施策です。

 

これは端的にいうと「人(動機)」に注目した防犯対策ですが、小宮氏はあまり評価していません。なぜなら、犯罪者を外見から判断することは不可能だからです。結果としてクライシス・マネジメントが中心にならざるをえず、「がんばれば何とかなる」「防犯意識を高めよう」という「精神論」に陥っていると厳しく指摘しています。

 

しかも、子供の連れ去り事件の8割は「騙されて自分からついて行ってしまった」というケースであることが、警察庁の統計から判明しています。自分が犯罪に巻き込まれたと理解していないのですから、子供がブザーを鳴らしたり助けを呼んだりするはずがありません。クライシス・マネジメントの効果が薄いのは否定できないでしょう。

 

このような実情に対し小宮氏は、「犯罪機会論」に基づいた施策こそが効果的だとしています。犯罪機会論とは、犯罪者に犯罪の機会を与えないことによって、犯罪を未然に防止しようという考え方です。犯罪機会論では、主に「場所」や「状況」に注目して犯罪の予防を狙います。

 

長年の研究により、犯罪は「入りやすく見えにくい場所」で発生しやすいことがわかっています。実際に、奈良の事件で女児が連れ去られた場所は、幹線道路の歩道の植え込みが途切れた場所という「入りやすい場所」でした。同時に、道の両側に防護壁があって見通しが悪く、歩道が視界に入る一軒家もないという「見えにくい場所」だったのです。

 

さらに小宮氏は、奈良の事件における「犯罪の転移」を指摘しています。犯人は当初、大阪府八尾市に行って女児を物色したものの、ちょうどいい標的が見つからなかったので奈良市に戻りました。これはなぜか、ということです。

 

実は八尾市は当時から、犯罪機会論に基づく防犯教育を推進し、児童自身が関わる「地域安全マップづくり」が行われていました。これに対し奈良市では、「不審者マップ」や「犯罪発生マップ」など、犯罪原因論に基づく安全マップしか作っていなかったのです。もちろん、製作に児童は関わっていません。

 

要するに、八尾市では「危ない場所」を児童自身が理解し避けていたので標的が見つからず、奈良市ではそうではなかったから事件が起きてしまった、という推論です。もちろんこれは可能性に過ぎませんが、犯罪機会論に基づく対策の重要性を示していると感じませんか?

■探偵の見守り調査で、子供が危ない行動を取っていないか確認しましょう!

子供を犯罪から守る上で、犯罪機会論に基づく教育は確かに有効でしょう。学校だけでなく、各家庭でも教育は可能なはずです。

 

しかしながら、子供が目の届かないところで実際どのような行動をしているのかは、保護者にはわかりません。防犯教育をしているつもりでも、子供が重要性を理解しておらず、危うい行動を取っているケースは十分考えられます。そのような時におすすめなのが、探偵の見守り調査です。

 

ただ、探偵をボディガードのように雇って毎日子供を見守ってもらうのは、費用などの面からいっても現実的ではないでしょう。弊社が推奨しているのは、子供が危険な行動を取っていないかどうかを、調査で確認することです。

 

たとえば、「入りやすく見えにくい場所」でばかり遊んでいないか? 治安の悪い地域に出入りしていないか? 見ず知らずの人に簡単について行くような様子はないか? このようなことを調査で確認し、問題があれば改めさせることで、子供を犯罪から守れるのです。

 

もちろん、「3日間家を空けなければならなくなり、その間の子供の様子が心配」というような場合は、安全確保の手段としての見守り調査も承っております。まずはご相談ください。

■子供の見守り調査は、スマイルエージェント本部にお任せ!

子供は自分の身を守る力が弱い存在です。だからといって何もできないわけではなく、正しい教育を施して危険な場所・行動を避けられるようになれば、犯罪に巻き込まれるのを防ぐことができます。「居住地域のどこが危ないのか?」を、家族で話し合ってみるといいでしょう。

 

そして、普段の子供の様子が気になる時は、探偵に見守り調査を依頼し、危うい行動を取っていないか確認するのがおすすめです。まずは、スマイルエージェント本部までお気軽にご相談ください。

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