企業にとって、営業秘密の漏洩は絶対に防がなければならないことです。もし営業秘密が不正に持ち出されれば、他社との競争で不利になったり、社会的な責任を問われたり、強要・脅迫を受けたりするおそれがあります。
そんな営業秘密の不正持ち出しが、2022年に過去最高を記録したという発表がありました。今回はこのニュースをもとに、不正持ち出し対策の重要性を確認しておきましょう。
【参考】
・https://megalodon.jp/2023-0416-0758-03/https://www.asahi.com:443/articles/ASR3Q7GZWR3QUTIL011.html
・https://www.sankei.com/article/20230323-PVJMNHT7ABPXVJEWHSVQGT42BU/
・https://mainichi.jp/articles/20230323/k00/00m/040/035000c
・https://megalodon.jp/2023-0416-0800-47/https://newsdig.tbs.co.jp:443/articles/-/392301?display=1
■2022年の営業秘密の不正持ち出しは、29件で過去最高に
警察庁の発表によると、営業秘密の不正持ち出しなどによって、2022年に不正競争防止法違反で摘発された事件は、全国で29件となりました。これは、統計を取り始めた2013年以降で過去最多です。摘発件数は年々上昇を続けており、5件だった2013年と比較すると、約6倍にもなっています。
29件のうちの1つは、過去の記事でもご紹介した「はま寿司」からの情報持ち出し事件です。この事件では、前職であるはま寿司から営業秘密を不正に持ち出したとして、「かっぱ寿司」の運営会社の社長らが逮捕されています。
また、被害企業などからの相談件数は59件でした。2021年は60件、過去最多の2017年は72件と、減少してはいるものの高水準で推移しています。これらはあくまでも警察が把握しているものに過ぎないので、他にも数々の不正持ち出し事件が発生していると見るべきでしょう。産業スパイの暗躍も指摘されており、十分な警戒が必要です。
■背景にあるのは転職者の増加。企業側も管理意識の向上が必要
警察庁は近年の不正持ち出し事件の増加について、転職が一般的になり人材の流動化が進んだことが背景にあると見ています。2020年および21年はコロナ禍の影響で減少したものの、過去最高の353万人を記録した2019年までは、9年連続で増え続けていました。
転職者が増えれば、転職の際に機密情報を持ち出したり、前の職場に働きかけて情報を受け取ったりといった不正も当然ながら増加します。かつての日本では終身雇用が定着していましたが、近年ではそれが変わりつつある以上、企業側も考え方を変えなければならないでしょう。
実際に警察庁は、企業の管理意識が高まった結果、情報持ち出しなどの不正に気づきやすくなったことも相談・摘発増加の一因であると推測しています。以前ご紹介したストーカー関連のニュースもそうですが、「過去最多」というのは必ずしも悪い意味ではなく、問題が認知されてきた証拠でもあるのです。
今後の企業は、従来以上に情報管理を厳重にするとともに、関係者の動きには十分に注意する必要があります。他社と接触を図っている人物はいないか、他社から移ってきた人物が怪しい動きをしていないか、転職した人物からの働きかけはなかったかなど、常に目を光らせておきましょう。
■社員素行調査は、スマイルエージェント本部にお任せ!
情報が不正に持ち出されたかどうかは、社内のシステムやメール、SNSなどの履歴から確認するのが基本ですが、それだけでは詳細な行動を追いきれないこともあります。不正に対抗するためには、企業側も迅速に動かなければなりません。「誰とつながっているのか」を確認したい時は、探偵の素行調査も有効です。お困りの際は、ぜひスマイルエージェント本部にご相談ください。