何の理由もなく失踪する人はいません。
家族や大切な人が、突然姿を消してしまった場合、そこには何らかの理由が存在します。
そこで今回は、失踪者の動機やどんな理由による失踪が多いかなど、警視庁のデータに基づいて解説致します。
日本では毎年、8万人以上が失踪
警視庁の行方不明者のデータを見ると、毎年8万人以上の人が失踪しています。
令和元年の失踪者数は86,933人。
このうち所在確認数は84,362人で、ほとんどの人が見つかるようですが、2,571人は行方不明のままのようです。
では、失踪してしまう人はどのような理由で姿を消してしまうのでしょうか。
失踪の理由は?どんな理由が多いの?
令和元年の警視庁の行方不明者のデータによると、失踪の動機別の割合は以下の通りとなっています。
・疾病関係(認知症含む)…27.5%
・家庭関係…16.5%
・事業・職業関係…11.8%
・学業関係…2.4%
・異性関係…1.7%
・犯罪関係…0.6%
・その他…20.3%
・不詳…19.2%
では、上から順番に具体例と共に解説していきます。
■疾病関係
・認知症によるもの
・精神的な病によるもの
・ストレスからくる鬱状態
・病気の宣告を受けたショック
■家庭関係
・浮気などの夫婦問題によるもの
・DVからの避難
・両親の離婚などによる子供の失踪
・嫁姑関係などの親子トラブル
■事業・職業関係
・会社の倒産
・リストラによるもの
・横領が発覚した事によるもの
・職場の人間関係など
■学業関係
・いじめによるもの
・子供の非行やトラブル
・受験失敗、学業不振など
■異性関係
・交際相手と駆け落ち
・ネットで知り合った相手の元へ失踪
・親からの交際反対によるもの
■犯罪関係
・自分が罪を犯して逃亡
・犯罪やトラブルに巻き込まれた事によるもの
■その他
・借金が理由によるもの
・宗教入信や出家
警察には「民事不介入」の原則
警察には「民事不介入」と言って、民事的なトラブルについては介入すべきではないという原則があります。
つまり、警察で事件性が無いと判断されれば、届出を出しても積極的に捜査はしてくれません。
上記データを見ても、動機が不明のものなどを覗いて考えると、犯罪によるものはたったの0.6%になります。
警察も失踪の捜査に対して、消極的な理由がわかります。
このような数字からも、警察が失踪届だけで積極的に動いてくれるとは期待しない方がよいでしょう。
まとめ
失踪の理由について解説致しましたがいかがでしたでしょうか。
警察の捜査を待って何もしていないでいるうちに、失踪の痕跡が消えてしまう事もありえます。失踪は早期対応が肝心です。